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MW(ムウ) (1) (小学館文庫)

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MW(ムウ) (1) (小学館文庫)

逆にこれ以上の手塚作品があったら教えてほしいです。
テレビで映画のCMをやってましたが、
これ読めば「映画では絶対に無理!」と分かります。
でも映画化した人の気持ちには大賛成。
問題作と言われているが、エンタメ作としても最高に面白い。
スリルとスピード感、狂気と変態的要素。
メインでヒューマニズムに溢れた作品を発表し続けた大作家の、
その思いっきりの反動から産まれたであろう大傑作。

アトムやレオだけを好きな人は…、幸せですね。
火の鳥やブラックジャックも好きですよ、泣きましたよ。
暗いだけの失敗作みたいなのがあるのも事実ですよね。
でもある意味、この作品こそが手塚治虫の真骨頂。
いくらヒューマニズムを排したところで、
やっぱり絵自体に、その線自体に愛と平和があります。
そのバランスは他の人にはマネ出来ないですからね。

これ最初に読んだのは、
オウムの事件からそんなに経ってない頃でした。
最後に大都会の絵がバーンとあるところなんか、
ホント、ゾクッとしました。予言してたようで。

ダレカレにもはおススメしてません。
「この人なら!」って人にススメてます。






映画化で話題ですが…
『鉄腕アトムの手塚治虫』としか認識が無い方は無理でしょうね、この内容。
かなりダークな話です。以前、友人に貸した時に『気分のいい漫画じゃないね…』と言われたことがあります。
個人的には好きなんだけどな。

全く内容に触れていませんが、一般人向けでは無い事だけはいえます。

この本は読まないほうがいいです
この本を読み終わった時「読まなければよかった」と心から後悔しました。
 主人公結城は高潔な銀行員の仮面をかぶりながら裏では誘拐殺人を楽しむ悪魔のような人間です。彼は死んでいる人を生きているように見せかけ、逆に生きている人を死んだように見せかけ、人を将棋の駒のように利用します。殺人と自らの利益を秤にかけ、絶望と恐怖で操りながら次々と罪のない人を手にかけてゆきます。
 悪魔に魅入られたとしかいいようのない巧妙な手口は“よくもまあこんな恐ろしいことを次々と考え付くものだ”と読んでいて舌を巻きます。
 それでいて主人公結城の殺人には目的というものがないのです。彼は殺人を愉しみます。それはすべての人間の命を自由に奪えるという快感を味わうためです。
そして彼にとって他人の命はレイコンマ以下の価値しかありません。
すなわち、天秤の上で結城の命を片方の皿乗せるなら、もう一方の皿には何万人もの人の命が掛けられなければ天秤は釣り合わないのです。おわかりになりますでしょうか?この恐ろしい論理が。
 彼は毒ガス兵器MWによって侵された自らの命=死と同等の価値に値する数万の人々の命を道づれにするべく、自らの手でMWによる大量無差別殺人を計画します。最後にはあっとおどろくことが・・・。
恐ろしい話です。できれば最初から最後まで読まないことをおすすめします。

二元論の対極にある結城の存在
巻末で花村萬月氏が「MW」と言う言葉を、M(Man)W(Woman)と分解していますが、なるほどと思いました。
「男」と「女」と言う二元論の対極にいるのが、主人公結城であり、彼は歌舞伎の女形のスター役者の弟で、自らも女装を得意としています。更に、セックスの面でも両刀使いです。
そして、彼は「悪魔」として位置付けられていますが、彼の行動は法に反する犯罪行為を事もなげに行いますが、一方で、その対象は社会悪に向いているとも言えます。
そうした面から彼は二元論の対極の存在として描き出されています。

作者手塚治虫は、この作品では思いを描ききれなかった失敗作だと言う言い方をしていますが、法で裁けない悪に対するには、単純な二元論である「善」と「悪」ではなかなか無理なところがあると言うところは描ききれていると思います。ただ、最終的にああした結論にせざるを得なかったところに不満があるのかも知れませんが、私としては納得しましたし、非常に良い作品だったと思います。

どうしても惹きつけられる
沖の真船島でおきたMWガス事件が原因で、人格破壊者になってしまった、美知夫。事件の関係者に対する復讐劇かと思いきや、実は美知夫の目的はさらに恐ろしい別の場所にあるという、非常にダークなお話です。

事件の黒幕を追い詰め、復讐していくシーンは、ブラックジャックにも同種の場面が描かれており、手塚先生=アトムや、レオを生み出したベレー帽に柔和な笑顔のおじさん、というイメージとは反対の人間の内面の他人には見せられない暗黒面を見せられたような感じがします。

悪と知りつつ、美知夫から離れられない澄子の存在も、女性としては、共感できる部分があり、人間描写が素晴らしい漫画だと感じます。

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