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新参者

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新参者

読了後、ただただ心が暖かくなった。
物語の流れは、
日本橋署に異動してきたばかりの加賀刑事。
女性殺害事件の聞き込み捜査で色々な人々と出会う。
その一つ一つのエピソードが描かれています。

十人十色の登場人物、その一人一人の思いが繊細に描かれています。

僕はこの本を読み、
優しさの形は一つでは無いということを、
自分のことを思ってくれている人は、
実は自分が思っている以上にいるのではないかということを、
改めて教えて貰えました。




いいです
一つの章が終わるたびに
ふぅ〜っと涙を堪える感じで
いいです。
ほのぼのあたたかな。
最後は「?」ですけど。
もうひとひねり欲しかったかな。

ドラマと、時間軸と、緻密な伏線に驚嘆。
キタァーーー!!
加賀恭一郎シリーズ最新作。
練馬署から、日本橋署に異動してきた加賀。
人情味あふれる下町で、
殺人事件が起こる。
関係者たちや、
近所の人たちが、
この事件の聞き込みを受ける。

怨まれるいわれのない、
引っ越してきたばかりの被害者。
なぜ、彼女が殺されたのか?
捜査線上に浮かぶ、
容疑者たち。
その一人一人を、
加賀は鮮やかな推理で、
しかもアクロバットではない、
つかんだ証拠から、論理的な推理を展開する。
そこには、
その町に生きる人々への、やさしいまなざしを感じる。

前作『赤い指』同様、
物語の底辺に流れる“家族”の愛の物語。
加賀自身が抱えてきた問題や、
経験が、
その深いまなざしに刻まれている。

これほどキレ者の彼が、
未だ出世できないのは、
いや、
降格してしまったということが、
まだ、語られない。
この先、そんなエピソードが書かれる日が来るような気がします。

待ちに待った東野圭吾の新作!!
連作短編のようにも読めて、
また、
加賀の服装や、おみやげから、
時間軸を意識して読むと、
さらに緻密な作者の仕掛けに驚嘆します。
加賀シリーズを知らなくても、
超おススメです。

あったか〜い
ミステリーとしては掟破りであると思うから
これは推理ものではなく人情ものとして読むのが
いいのだと思う。
だとすると各話がすべて見事に温かく、
次々と読んでいきたくなる。
捜査の過程で平穏であった人々の暗部などが
ほじくり返されるという作りは目新しくないくても
そのひとつひとつの話のよさはさすがとしか言いようがない。

ミステリー仕立ての人情劇
加賀恭一郎の登場である(練馬から日本橋に異動したので新参者というわけだ)。彼がでてくると、物語が自然とひきしまるから不思議だ。こんな刑事ばかりならなぁと誰もが思うだろう(実際の刑事を知っている人はまずいないだろうけど)。さて、今回は各章が独立した短編になっており、それぞれが加賀刑事が事件の真相にたどりつくまでの過程になっている。で、最終章が解決編となるわけだ。珍しい手法ではないが、ちょっと凝ったつくりになっている。本筋の事件そのものはいたって単純であり、動機や手口も奇抜ではなく、ミステリーとしてはもの足りないと思う方も多いだろう。しかし、本作のテーマはあくまで人情の機微である。もちろん、たんなる人情劇というわけではなく、どの話も謎解きと微妙に関連しているところが絶妙。東の圭吾はうまいなぁと思う。

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パラドックス13

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パラドックス13

途中少し単調に感じるが…
話は面白いです。
確かに、読みながら過去のいろんな映画や小説が頭をよぎる。
それでも、ある人物に人の生死について語らせた辺りまでは、読み手に問いかける側面もあり良かったと思う。
しかしその後の展開が、最終局面に行き着くまで、基本「自然の猛威→脱出」の繰り返しなので、不謹慎だがちょっと飽きる。
ここのエピソードを、もう少し削った方が緊張感が継続したのではないだろうか?
「パラドックス」の意味だが、なまじ聞いたことがある(だが意味は分からない)単語が散りばめられているので一応咀嚼してみたが…、もちろんトンデモなんですよね?
当方ガチガチの文系人間ゆえ、理系の方、どこまでがあり得ることなのか(理論上は、ですが)、解説して頂きたいものです(笑)。

合理と感情が織り成す人間模様
P-13現象により、人々は一瞬にして忽然と姿を消す。
繰り返される大地震と異常気象も相まって、人間の文明は完全に壊滅する。
混沌に満ちた廃墟でサバイバルを強いられるわずかな生存者達。
既存の価値観が一切通用しなくなった世界で、
次々に迫りくる絶望的な現実と、次々に迫られる究極の選択。
極限的な状況の中で、合理と感情の葛藤が描かれたパニックストーリー。

崩壊していく世界の中で芽生えていく恐怖や不安。
エゴや欲望で自分を見失う者、絶望や悲しみに打ちひしがれる者。
それでも必死に生き抜くための卓越した合理性。
さらにそれを超越するような生存者達の絆。
合理性を軸にしながら感情というスパイスで人間模様を描いていくところは
さすが東野圭吾!という感じで面白く読み進められる。

ただ、展開が速い割に同じような展開が多く、意外性もあまり感じられなかったため、
動的なパニックストーリーの割には、静的な印象を受けた。
P-13現象の数学的・物理的説明も、特に目新しさは感じられず、
数学や物理のファンにとっては物足りない感じがすると思う。
帯の煽りから期待した内容と実際の小説の内容にもかなりの食い違いがあった。
数学的などという言葉は不適当だろう。
期待が大きかった分、肩すかし感は否めない。
単純にパニックサバイバルストーリーとして楽しめばいいと思う。

なんと!SF?150頁まで我慢がいる。
始まって150頁あたりまで「どこかで見た」設定に
「このまま行くのか?」不安でしたが、150頁を過ぎると
だんだん東野テイストが出てきて最後まで面白く読めました。
おそらく、特別なSFファンでなくとも
最近の洋画を見てる人には(特定の作品をさす意味ではなく)
「アレと似ている」と各々が思う事でしょう。
非常時における、差し迫った選択をしなければならない人々。
この葛藤描写がやはり「東野作品」だなと思いました。
「非常時における選択」は読んでても人事ではなく
「もしも自分だったら?」と、もう一人の登場人物のつもりで
読んでしまいます。
後味は悪くありません。このラストは好きです。

人気絶頂時だからこそ世に問う一冊
「世界が変われば善悪も変わる。人殺しが善になることもある。これはそういうお話です」と著者が書いている(書店のPOPにも)ように、あまりに固定観念にこだわったり、タテマエと本音を使い分けて本来の問題に目をつぶりがちな現代の風潮に対する著者の警告ではないでしょうか?
恐らく人気絶頂時の著者なればこそ出版にこぎつけた話題作となりますが、無名の小説家が書いた作品だとしたら、3流SF小説だと罵倒する輩がいっぱい出てくると思います。
現代の文明社会に慣れきり、平和ボケの日本人にこそ読んで欲しい本ですね。

東野版「漂流教室」?
どういう理由で登場人物達がそういった状況に置かれたのかというよりは、そういった状況で人はどう考え、どう行動するのかということを描いた作品だと思います。しかしながら当然リーダビリティの核になるのは「理由」の部分。ここはミステリ仕立てになってラスト近くに真相が明かされますが、どうもわかったようなわからなかったような・・・少なくともこの小説、SFに分類すべきではないでしょう。

カタストロフの描写や極限状況における人々の心理や行動も類型的で、「どこかで観たか読んだ」感が最後までつきまといました。「漂流教室」「ファイナル・ディスティネーション」「ドラゴンヘッド」、さらに重大なネタバレになるのでタイトルは控えますが某有名ホラーサスペンス映画等、いろいろな作品のテイストを感じることができますがどうも全体的に浅い。例えば「いままでの地位や上下関係が消し飛んでしまう」ために部下が上司に悪態をつく場面がありますが、「漂流教室」の給食のおじさん・関谷のすさまじい豹変ぶりこそが人間の本質を突いていたのではないかと改めて思ってしまいました。
当然の如く一気読みしましたし、さすがに星1個ということはないと思います。でも、「東野基準」でなく一般的にみてもこの小説に星3個(平均点)は付け難い。よって2つの評価とさせていただきました。

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秘密 (文春文庫)

人間のもつ本性をフィクションを通じて訴える
私はただの小説として読むことができませんでした。

本書では人が日常生活で感じる様々な心の葛藤を、主人公とその周りにいる人たちを通じて伝えています。

小説としてはもちろん、1日で読みきるほどおもしろいですが、家族のあり方、恋人とのあり方などを深く見つめるきっかけになる1冊。

家族に問題を抱える方、恋人と問題を抱える方、自分自身に悩みを感じている方、必読です!

泣いてしまいました。
笑い話にしたかったけど読者が泣いたっていうんで手に取りました。
ラスト付近で一人タリーズで涙を抑え切れませんでした。
バス運転手の事故をおこしてしまった深い深い理由にも泣きました。
藻奈美さんが最後まで出てこれなかったのも、一母親として泣きました。
直子の苦労も平助の愛も、すごく感動、いろんな気持ち。

結婚指輪の件がなければ「秘密」が成り立たなかっただろうけど、
直子のわりにはわかりやすいポカをしたなと思ってしまいました。

映画も観たいと思っています。

どこまでも切ない物語。
秘密をかかえて生きていくというのは、
誰にとってもつらいこと。

時が経ち暴露される秘密と、未来永劫暴露されない秘密。

登場人物たちのそんな多くの秘密が交じり合い、
この切ない物語を形作っています。

主人公・平介が最後まで暴露しなかった秘密は…
そしてその妻・直子が最後まで暴露しなかった秘密は…

読者はラストシーンでそれに気付かされます。

秀作。

本当の秘密
東野圭吾さんの作品を初めて読んだのがこの「秘密」でした。
評価が低い方もいますが、私はそれまで読んだ本の中で一番の衝撃を受けました。
こんな本との出会いがあるから読むことをやめられないんでしょうね・・・

タイトルの本当の「秘密」がわかったるのは最後まで読んでからです!
まだの方は是非!お楽しみ下さい。

号泣
最初はファンタジーな感じで始まり。

よくある展開になるかなーと思って読んでいくうちに、
どんどん話に引き込まれていきました。

ファンタジーなんだけど、しっかりリアル。
いろんな人が、いろんな立場で様々な“秘密”を抱えて生きていく。
そこに切なさや葛藤、現実がある。

そして最後まで全く結末の予想はつかなかった。
ラスト数ページで何が“秘密”だったのか分かった時は、
ほんとに切なくて号泣しました。

こんなに本を読んで泣いたのは久しぶり。

広末涼子主演での映画版はラストが違うけど、私は断然本の方が好き。


ただ人によってラストの感じ方の違う作品だと思います。


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容疑者Xの献身

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容疑者Xの献身

ひさーーーびさーーー   ヒットオオo
 殺人事件が起きて、自主か隠ぺいかを迫られた母娘2人家族。突如現れた、隣に住む男性がこう呟く「隠ぺいするつもりならお手伝いします。」女は、娘を見つめる・・。
 結末は、圧巻です。毎度のことですが、今回は一味違っていました。何気ない風景が、最後に登場する。まさにここに東野圭吾有り!という完成度の高さです。しかも、結末部分も今回は長めで、それが またいいんです。読み終わった後、久しぶりに余韻が残りました。ありえない、だけど・・・ありえる。それは筋が通るからです。話の終え方は、私は好きです。
 殺人は、言い訳出来ません。俺が犯したなら自首します。俺が人を殺すとき、自分を殺している事と変わりません。だからーーー  なるべくいい環境で生活しまーす^^。

ミステリか純愛か
本格ミステリー業界にかなりの物議を醸し出した問題作。
トリックはたいしたことはないのに、直木賞はおろか本格専門誌での人気投票でまで
最大の評価をもらったことが原因らしいです。
東野さんは本格生まれの人だけど、それ以外のものも書ける。
それが本格でずっとやっている人には、
一種の二足のわらじとして映ってしまうのかもしれません。

ある種の軽薄さや、問題点、議論になっていることも含めて、
面白い作品には違い在りません。


読みやすい。けど、後味が悪い
果たしてここまで行き過ぎた献身を、単純に「深い愛情」と評していいものか。
ある意味、ストーカーよりも性質が悪い物を感じる。
そこは、解釈それぞれだろうけど。

ただ、もう一つの殺人を知らない美里が、自殺未遂をはかったというくだり。、
彼の献身は、真相が露見するにしろしないにしろ、破綻が約束されていたことになる。
それは、間違いなく彼の献身とやらの結果なのだから。
そして、彼に本当の気遣いがあれば、想定できたはずの結果でもある。

純粋というよりは、狭隘で狂愛的な人間の献身に、母子ともども流されるままに
悲劇にいたる。違和感と後味の悪さの残る話だった。
読みやすく面白かったけれど。


普通に生きることの難しさ
東野圭吾のネームバリューに期待しすぎて読むとちょっと肩透かしかもしれません。
でも現代社会の悲しみ・寂しさ・葛藤などがじわじわ伝わる作品です。
好きなことを追求して生きることのできない現実生活や絶望の中でみつけるささやかな希望の光がひとそれであること、過去と決別したくても簡単にはできないこと、そして友達の大切さ。
通勤や就寝前の時間でサラリと読める本ですが、後からいろいろ考えさせられる本ではありました。

まあ、わかりやすいかな
夜明けの街で、を読んでからこの本を読みました。というのは夜明けの街で、があまりにも期待はずれで読み終わったときこけそうになったので・・・石神さんがなぜそこまで母娘を助けるのか、疑問はのこりましたが、まあわかりやすかったかなとおもいます。一つの殺人をカムフラージュするために、別な殺人を犯すのはうーん、そこまでするかなあとも思いますが、細かいことを考えると(血液型とか、まあ、歯形は仕方ないか)ちょっと無理があるかと感じました。
「手紙」とかは良かったと思うのですが、作品によって私個人の好みが二極化しますね。

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予知夢 (文春文庫)

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予知夢 (文春文庫)

ドラマが始まる前に。。
読んでしまおうと思い、探偵ガリレオに引き続き読んでみた。
今回は不思議なオカルト系のお話を化学で問いでみせるのがテーマ。
湯川助教授のカリスマ性と草薙刑事の奮闘ぶりが”探偵ガリレオ”ほど出ていないように思う。
ストーリーも”探偵ガリレオ”の方がはるかに勝っていたように思う。

そして、この後湯川助教授は”容疑者xの献身”で長編デビューしたわけですね。



オカルトとミステリ
本書のキーワードは、オカルトとミステリである。各章の概略を紹介します。

第一章:夢想る
幽体離脱を題材にしたミステリ。キーワードはモリサキレミであろう。殺された坂木は、モリサキレミに関する夢に操られていたのであろう。

第二章:霊視る
心霊写真を題材にしたミステリ。幽霊騒ぎと事件がどう関係するかがポイントか。

第三章:騒霊る
ポルダーガイスト(騒がしい霊)を題材にしたミステリ。原因は、共振現象のいたずらなのではないか。家の真下のマンホールに何らかの振動が加わったからだ。

第四章:絞殺る
結局、科学を駆使して矢島忠昭が自殺をした。それに、奥さんの貴子はどう絡んでいるのか?火の玉とミステリの関係は?

第五章:予知る
予知夢を題材にしたミステリ。ダブル不倫と欲情によって殺人が行われた。ポイントは富由子と峰村の関係なのかも

さらり、と読みたい人にお勧め!
深夜、16才の少女の部屋に男が忍び込んだ。捕まった男は、自分と少女を結ばれる運命だったと主張。容疑者は、小学校時代の作文で、既に少女のを名前を書き記していた...「夢想る(ゆめみる)」。ありえない場所で恋人の姿を見た男。ちょうどその時、恋人は殺されていた...「霊視る(みえる)」。夫が行方不明となった女性から相談を受けた草薙刑事。最後に男性が立ち寄ったと思われる家から謎の物音が...「騒霊ぐ(さわぐ)」。絞殺事件の被害者の娘は、殺された父のそばで火の玉を見たというが「絞殺る(しめる)」。マンションで女性が自殺。向かいに住む少女は、その三日前に女性が自殺するのを見たというのだが...「予知る(しる)」の、全5作

草薙刑事と湯川助教授が、一見オカルト関係に見える事件を科学的に解決していきます。ちょっと気になるのは、この事件で出て来る犯人たちが問題解決のために、「殺人」という手段をとても簡単に選んでいるようなきがするところです。事件の謎ときも、「ふーん」という感じ。短編集のためにそうなってしまうのかもしれませんが、なんとなく、薄っぺらい気がして、残念です。ただ、さらりと読みたい人には、お勧めです。

科学とミステリの融合
刑事・草薙と物理学者・湯川が奇妙な事件に挑むミステリ作品である。奇妙な事件を物理学者・湯川に相談しに行く、刑事・草薙。刑事・草薙が持ち込んだ事件に科学的解釈を与える役割を担う物理学者・湯川。なかなかの名コンビである。
本書の面白いところは、“ミステリ”に“科学”を持ち込んだところである。物理学者・湯川の手にかかると、「何の変哲も無い事件?」,「単なる偶然が重なった事件?」と思わせる事件に、科学的な解釈が与えられ、事件の真相に迫っていく。この科学的な解釈が与えられていく様は、「なるほどそういうことだったのか!」と思わず納得である。
“ミステリ”に“科学”を持ち込むあたりは、元エンジニア・東野圭吾らしく興味深いところである。湯川という名前も、ノーベル物理学賞受賞者・湯川秀樹を意識したものなのだろう。このように様々なところから、東野圭吾が持つ独特の世界観を感じることができる。
本書は全260ページほどで、全部で五つの事件が収録されている。短時間で手軽に読めるのも良い。自信を持ってお勧めできる一冊である。


ハウダニット
ガリレオシリーズの第2弾。

「探偵ガリレオ」が出たときは、まさかシリーズ化するとは思いもよらず、そのシリーズで、東野圭吾がようやく直木賞にたどり着くとは、まるっきり予想できませんでした。

ミステリの短編集はこうあって欲しい、と思えるような作品です。
短編の中に、超常現象の謎解きと科学的な説明を入れ込んでいるので、犯人当てまではひねりを入れる余地が少ないです。
でも、そもそも犯人当てミステリを書く気が少ないようなので、フーダニット抜きでも楽しめればOKでしょう。

そう考えると、このシリーズはハウダニットなんだな。今気づいた。
「この犯罪はいかにして行われたのか」を謎解くミステリ。
それがそのまま「容疑者X」に続いていると思えば、それも納得。
短編では描ききれなかった人物描写を長編でしたかったのかな。

・・・・などと、直接作品とは関係ないことを考えてしまったのでした。

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化学の神秘を感じる。
理科系全くダメな私には想像もつかない世界。だからこそ本書を読んで化学の奥深い神秘を感じぜずにはいられない。
湯川助教授曰くこの世で起こっている超自然現象と言われるもののほとんどは化学的(物理的)に証明できるそうな。それこそ神秘だぞな!
映画とかドラマしたらおもしろそう。。って思いながら、まさに本が読み終わった今日、10月から月9ドラマで福山雅治主演でドラマ化されることを初めて知った。
あとがきでは佐野四郎が書いていて、その理由はというと東野先生は佐野四郎をイメージして湯川を書いていたそうな。
背が高くて、色白、目がねで神経質そう、髪型はきのこ頭のよう。。うん、確かに佐野四郎だな。彼もいつか湯川を演じてみたいと言っていたので、さぞ悔しいことだろう。
福山ではちょっとかっこよすぎるんじゃあないかなあ。。とも思うけど、ともあれドラマも楽しみだ。

映像を期待して
10月から福山雅治さんの湯川でドラマになるんだと知って、読みました。湯川=福山という先入観で読んでいる自分があり、ちょっと想像の幅が狭められてしまったような気もしています。
物語そのものはどれも痛快で、さまざまな事件を化学の力で解き明かすおもしろさは、理系の人間ならずとも楽しめます。「容疑者Xの献身」はすでに読みましたが、湯川のキャラクターは本書のほうがより個性的で際立っています。
本書で行われている実験がまもなく映像で見られるかと思うと、今から楽しみです。
早速「予知夢」も読まなくては!

人を選ぶであろう作品
警視庁捜査一課の草薙俊平は怪事件に頭を悩ませると、ある友人の元を訪ねる。その友人こそ帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学である。湯川はその怪事件を科学的に解決していく。
2007年10月クールの「月9」枠でスタートする同名ドラマの原作。直木賞受賞作「容疑者Xの献身」もこのガリレオシリーズである。この「探偵ガリレオ」はシリーズ第一作の連作ミステリー小説である。
まず読んでみて率直な感想は、この作品は自分に合っていないなと思った。面白くなく、途中で読むのをやめたくなるのではない。短編集だからか、テンポよく最後まで読んでしまった。しかし、他の東野作品ほどのめりこめなかった。まずその大きな理由として、短編集なため一つ一つの事件がサラッと解決されてしまう。そして、犯人がすぐに誰かわかってしまう。(登場人物も少ないため、選択肢も限られている)これは、湯川が犯行のトリックを暴くことをメインとしているためしかたがないことでもあるが、その犯行のトリックというものにあまりにもリアリティがなく、湯川の説明も実に科学的。理科嫌いの私にとってはイメージがあまりわかない。もう少し一話一話にドラマが欲しい。やはり東野作品は長編ミステリーが面白いと思わせる作品であった。
とはいえ、世間一般的には評価も高いようで、ドラマに興味がある方は読んでみて損はないと思う。


軽快タッチで事件解決
草薙刑事と湯川助教授のコンビが主役で、この二人の事件トリック解明に向けての対話は軽いコメディタッチでもあり、物理学の難しそうな見解にも抵抗感を薄めさせてくれます。
東野氏が理系出身であるためでしょう。物理の話はとても詳しいです。
インスタントコーヒーの知識まで詳しい、という点は少し驚かされ、思わず笑みがもれてしまいます。
短編集でもある点から、シリーズ物にしてもいいような気がしますが、マンネリ化させずに次々といろいろな分野に踏み込んだ作品を描き続ける著者の姿勢は、創作家としての挑戦心も感じられます。

科学とミステリーの融合
本書は、科学を題材にしたミステリーです。警察官の草薙と物理学者の湯川の掛け合いが面白いですね。5つの話にしても、映像が眼に浮かぶようだ。理屈は難しいが、科学の面白さがわかるような作品だったように思える。ちなみに、湯川は俳優の佐野史郎をイメージして書いたみたいだ。

各章の紹介を行います。
「燃える」:ポリタンクの前に立っていた少年が焼死した。その原因と動機は何なのか?少女が見た赤い糸とはなんだろうか?
「転写る」:池から拾った金属マスクを見たとき、殺された男に似ているという。なぜ、殺された男に似た金属マスクが作られたのだろうか?
「壊死す」:スーパーの経営者が風呂場で殺された。胸の痣は細胞が完全に壊死したものだそうだ。どういう手段で殺したのかがポイントか?
「爆ぜる」:沖から火柱が突如出たという事件がおきた。それは、細かい火の玉が海面を滑りながら広がったという。また、アパートで他殺死体が発見された。その両者を結ぶ鍵は何か?なぜ、突如として沖から火柱が発生したのだろうか?私はこの章の話が一番好きでした。
「離脱る」:長塚多恵子という女性が殺された。その事件の証人は幽体離脱をして少しはなれたところの光景を見たという。湯川教授の別名の「ガリレオ先生」という言葉はこの章で始めて出た。女性を殺した犯人は誰か?幽体離脱の謎は?


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