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悪意 (講談社文庫)

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悪意 (講談社文庫)

最後までグイグイ引っ張る
本作は、ある人気作家の殺人事件を巡り、
被疑者となった友人と彼を追及する刑事との回顧を交互に配置して、
鮮やかなアリバイ崩しや、それをはるかに上回る事件の背景、
さらにタイトルともなった大小の悪意、
そして、本件の動機ともなった底知れぬ悪意を描き出すものです。

早い段階で犯人は明らかになるものの、
一見単純とも思えた事件の背景と動機とが二転三転していきます。
ちなみに、本件に描かれた細かい設定はすべて意味を持っています。

よもや、本件がこれほどの拡がりを持つとは…。
思わず、真相を追う加賀刑事と同じ感想を抱かされました。

また、真相につき、加賀刑事も思い当たる節のある、
大きな社会問題についての問題提起が織り込まれているのも秀逸だと思います。
決して後味は良くありませんが、一読に値する作品です。

す、すごい小説・・・
手記のみで事件が進んでいき、
しかもその内容が真実とは限らない・・・。
とっても斬新な描き方で東野圭吾すげー!
と思わずにはいられませんでした。

どんでん返しも1回のみではありません。
繰り返し読みたくなる小説もそんなにないですが、
これは間違いなくもう1回読みたくなります。
伏線につぐ伏線の数々!ほんとに東野圭吾スゴイです。
読んでる途中でも何度となく読み返しました。

犯人の悪意もほんとに陰湿で
そのためにここまでするか!?と言いたくなります。
伏線好きならぜひ。

加賀恭一郎シリーズ
東野圭吾の大得意であるミスリードを最大限に生かした作品かと思います。
最初から最後まで騙され続けました。
まさかこんな所で著者の術中にハマっていたのか!!?という感じです。

発端の殺人事件は割とあっけなく解決してしまうのですが、それこそがこの物語の序章だったとは終盤に入ってやっと分かりました。
その捕まった犯人が決して語らない「殺人の動機」。

この作品は、
人が殺人を犯す動機はなんなのか?
この事に焦点を当てて加賀刑事が推理していく事で進んでいきます。

あらすじの説明をもう少ししたいと思ったのですが・・・難しいですね。特にこの作品は。
とにかく、東野圭吾の読者の意表をつく作風が好きな人は読んでみましょう!!
とんでもない結末に驚くことかと思います。

これはすごい。
「殺人動機とは何なのだろうか。そのことを考えながら書いた」(著者)
人気作家が殺された。なかなか明らかにならない動機。
次第に明らかになる事件の真相。かつての悲劇が殺人の動機となったのか。

とにかく、レビューなどは読まずにまずは読んでみるべき。たったひとつの殺人事件を巡り新たな事実が判明する度に、二転三転する事件の「真実」。読み進めるたびに、読者も事件の真相に迫っていくが・・・最後は唖然とするほど見事。

犯人、刑事の手記の掲載という形で進んでいくストーリー展開。これも読み終わってみれば必然的に選ばれた手法だった。うまい、の一言。

ミステリー好きにはたまらない、世界がぐるりと回転するような読書体験ができる、よく練られたストーリー。秀逸な舞台設定。タイトルの付け方も本当にうまい。「悪意」の本当の意味を知ったとき、それまで意識していた分かりやすい「悪意」をはるかに超えた、空恐ろしい「人間の業」というものが感じられる。

小説ならではの楽しみを堪能できる、絶対おすすめの一冊。

人の持つ悪意とは。
手記を通して描かれるストーリーと言うことは、
事件が全て終わってからの回想と考えるとドキドキ感はあまりないかなぁと、
実は一章を読んだ後に思ってしまいました。
殺人事件後は犯人にとって不利な物証が次々出てきたりと、あまりにも単純な展開で、
東野作品2作目の「卒業」から先は2000年以降の作品ばかり読んでいた私には、
加賀恭一郎に久々に会えたうれしさしか見いだせませんでした。
それが後半、思いもよらない展開に。
思わず一気読みしました。

人はどうしてこう、ねたみという気持ちが芽生えるのでしょうか。
そしてそれを消化しきれなかったとき、
なんと残忍なことをしでかすんでしょうか。
その心持ちを決定づけるのは、昨日今日の事が原因ではなく、
小さな頃からの積み重ねで起きることに愕然としました。
ストーリー展開はもちろん期待を裏切りませんが、
子育て世代にはかなり考えさせられる小説でもあると思います。


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容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7)

東野ミステリーナンバーワン!
 この作品で東野圭吾が直木賞を受賞したので、以前から気になっていましたが自分は文庫本しか読まない主義なので、文庫化されやっとこの作品に触れることができました。 過去に東野ミステリーをいくつか読破しましたが、この作品が間違いなくナンバーワンです。 数学者石神の作り上げた隣人の母娘の起こした殺人事件を隠すためのトリックは、思わずうなってしまいました。それを、暴いてしまう湯川もさすがです。 とにかく読んでみて損はなしです。 皆さん実際に読んで、このトリックに感嘆してください。 

純愛には出来ない、ならない。だから「献身」
トリックも最後にならないと分からず、誰も幸せになれない内容だから良い小説だと思います。
結局、石神の思いは報われなかった。私には、靖子は石神を思ったから自首したのではなく(深い愛情に感動はしたと思いますが)、娘の為と自責の念からのもの。と、読めました。
犯罪者は犯罪者。
東野圭吾としては、湯川に「素晴らしい頭脳を、そんなことに使わねばならなかったのは、とても残念だ。非常に悲しい。」と代弁させてる気がします。
石神が靖子達によって、生きる事の喜びを得た。これだけでも充分に納得の行く動機です。人間は生きる目的を見失うと、毎日が絶望の惰性で生きるだけだから。


文庫になったから読んでみたが…
ストーリーは良いですが、表現力に欠ける。直接的な表現ばかりでイライラしました。文字を読みましたって感じです。

待ちきれなくて
映画が待ちきれなくて、文庫本も待ちきれなくて、3倍高いほうを買ってしまった。
ガリレオシリーズの3作目。直木賞受賞作です。

数学者である石神は、思いを秘めた女性が殺人を犯した現場に遭遇し、彼女と彼女の一人娘を救うためにトリックを仕掛ける。
そのトリックは誰も想像し得なかったもので、警察も読者も事件の重要な部分をだまされたままラストへ向かう。

湯川は、友人である数学者と刑事の間で気持ちを揺り動かされていた。しかし、単独で徐々に真実に近づく。
石神は、全てを完璧に仕組んでいた。アリバイというのは嘘を組み込んで作り上げるものだが、彼は真実を組み上げて作っていく。そして、それらは決して破綻しないのだが、湯川によって真実が暴かれそうになると、全てを覆す最大のトリックを仕掛ける。
しかし、それは、彼の純粋な愛を貫くがための行動だと湯川も驚くしかなかった。

事件の全容をひっくり返すトリックは驚きだけでなく、読者の涙を誘わずにはいられない。
作者も決して華美な言葉、大げさな言葉は使わない。警察の捜査も地味に進むが、進展しているようで、進展しない。意外とゆったりと時間が進んでいた。
しかし、不意に時間が速度を増す。そこからは夢中で読んだ。それまで霧の中をさまよっていたが、晴れたところに出る。それは最良の決断であり、最悪の場所だった。
最後の決意を知ると、秘めた思いの大きさがじんわりと心を打つ。

短編集を読んだあとだと、全体が流すぎるんじゃないかとは思う。
でも、あのゆったり感があってのラストの慌ただしさと、感動が味わえるのだろう。

冷静な天才が最後に絶叫した理由
主人公は数学の天才だが堅物で面白みに欠け、殺人犯は序盤から分かっているし、事件発生後のアリバイ工作もありきたりな感があり、どこが著者の最高傑作なの?と疑いながら読み進めていました。
しかし、謎解きが始まるにつれて、それまで無味乾燥だと思っていた舞台装置等が段々意味を持ち始め、最後の幾層にも仕掛けられたトリックが明かされる度に、驚きと感動で物語にのめり込んでいきました。
全て読み終わった途端、思わず読み返したくなった伏線も見事でした。男女年齢関係なくおススメの一冊だと思います。

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流星の絆

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流星の絆

没頭必至
読み始めたら、本を閉じる事が出来ませんでした。

みなさんも経験があると思いますが、

ごはん中も読んでいて、母親から怒られました。

たしかに他の作品と比べると、トリックが薄いですが、

えも言われぬストーリが凌駕していると感じました。

最後に、自分も3人兄弟で色々遊んでおり、読んでいて

高揚がおさまりませんでした。

帯文はあおり過ぎでは?
「すべての東野作品を超えた現代エンタメの最高峰」という帯文のうたい文句と、ここでのレ
ビューの評価が非常に高かったので読んでみたのですが、震えるほどの感動は得られませんで
した。私は東野作品は4・5冊しか読んでいないので、より的確な格付けは東野ファンの他のレ
ビュアーの方にお任せするとして、私にとっては「白夜行」の方が作品としての深みははるか
にあるように感じられました。

500ページ近い大作を一気に読ませる筆力はさすがだし、ラストのまとめ方も含め、娯楽作品と
しては高いレベルにあるとは思います。ただ、これは好みの問題もあるとは思いますが、作品
の中に「偶然」が幾つか入り込み、ストーリー展開が偶然性に左右されてしまっているのが最
大の不満点です。

できる限り物語から偶然性を排し、一件偶然に見えた出来事も実は綿密に計算された作者の仕
掛けであったことを知って驚く、そうした松本清張作品のような厳密さを私は推理小説には求
めてしまうので、その点が残念です。「小説の世界なんだから」と言われればそれまでです
が…

物語が全般的に淡々と流れ、登場人物の描きこみもやや物足りなく感じました。ラストもよく
できているとは思いますが、いかにも「推理小説のラスト的なまとめ感」がしてしまって、驚
きや感動よりも、「なるほど、そう来たか」といった納得感が先だってしまいました。

できれば予備知識なしに
とても面白かった!!
卓越した文章で登場人物たちへの感情移入もスムーズでした。
息をつかせぬ展開に、ページをめくるのももどかしいほどです。
2日間で一気に読んでしまいました。
読後感もさわやかで文句ありません。

ただこのレビューも含め、予備知識なしに読んで欲しいな。
私もそうしたかったというのが本音です。
本書の帯にも「ラストのどんでん返し」とあります。
そんなことを期待せずに、素直に読みたかった。
どんでん返しと知った時点で、ある程度の予測がついてしまいます。
驚愕のラストであっても、驚きが半減です。

出版社の売り方に疑問を投げかけておきますが、それでも本書の素晴らしさは変わりません。
帯を外して、人に勧めたい本です。
大満足でした!

初めて東野作品を読みました
実は東野圭吾作品は原作、TVドラマ含めて全く接したことがなく(汗)、最初は「東野圭吾デビュー」は複数の人達に薦められた『白夜行』にしようかと思ったのですが、そんなときこちらが新刊として出ていて、気になったので読んでみました。
そんなわけで他の作品と比べることはできませんが、少なくともそんな初心者に「他の作品も読んでみたい」と思わせるだけの力は持っていると思います。

特にラストの1/4ページぐらいは読むのを止めることができませんでした。
また他のレビューの方がおっしゃっていた通り、結末はタイトル『流星の絆』そのままの絆を感じ、いい意味で涙がこみあげてきます。そして読後感は非常に爽やかな気分になりました。
この読後感は、雑誌やネットの作品紹介などを見たときには予測がつかないものでした。
今まで数多くの著者の本を読んできた私ですが、読書リストにまた新たな著者の名前を加えることができたようです。

まあまあです。
レビューをみるとみなさんがいい作品だと言っていますが、私はそこまでいいとは思いませんでした。何か普通ですね。兄弟の絆がテーマみたいですけど、そんなに絆も感じられませんでした。でもまあ読みやすかったので、星3つです。    

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たぶん最後の御挨拶
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夜明けの街で

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夜明けの街で

残念ながら
東野圭吾の作品はほとんど読んでいますが
残念ながらこの作品に高い評価を付ける事は難しいですね
帯の「最高傑作」は『白夜行』や『容疑者X』に対する冒涜に近いです

あまりにリアル感の欠如した「不倫話」や「家族への想い」
(この作家は「恋愛」や「家族」を描くのがあまり得意ではない・・・)
意外性が無く、盛り上がりが欠如したラスト

もちろんこの作家の力量はこんなものでは無いはずです
次回作に期待しています

格別凄い不倫話では無いのでは・・・?
本を購入する際に、帯の部分に「最高傑作」
「不倫は馬鹿らしいと思っていたが、どうしようもない時もある」
とあったので、普通には無いようなものすごい不倫の話かと思って期待していたのですが
結局は主人公のただの勝手なエゴイズム的な欲望からの不倫だったので
そんなに凄い不倫の話では無くて少し期待外れだったのは否めません。
でも不倫の話自体あまり読んだことがなく、
また男性目線で描かれていたので面白く読み進めることが出来ました。
また殺人事件と絡めて描かれていてラストが気になって気になってしょうがなかったので、
確かにあまりミステリー、推理小説とは言えませんが
それなりにラストは気になってしまうと思います。

真面目な東野氏が描く不倫ミステリー
この作品から東野氏は本当に真面目な人なんだと思った。
不倫と殺人の時効をキィワードにしたミステリーなんだけど、主人公の男性のロマンティストな面の方が印象に残り、危うい男女関係がもたらすミステリーには仕上ってないのだ。
重ねて主人公の男性が不倫に走ってしまう心理描写で、家庭内で妻が子ども中心の生活になっている不満が出てくるのも、家庭内で我慢しているのは男だけじゃないうっとおしさが鼻についてしまう。
おまけのように付いてる男が家庭に、妻のもとに帰る理由の短編も、女からしたらけっこう冷める。
狂おしいくらい不倫から抜けれない男が、殺人事件に巻きこまれてゆくような臨場感はない。

クリスマスって・・・・・。
不倫の世界も、事件の話もまあ、こんなものだと思いますが、
毎週、木曜には、会っているといいつつ、やれ、クリスマスは一緒にいたいの、
バレンタインは、どうするの、ホワイトデーのお返しは・・・・という、いい大人
の危険な恋にしては、甘ったれたイベントの数々。げっそりした部分です。
スキー場の場面なども、ユーミンの歌なら、いいけど。
そんなことしなくてもいいから、はっとするような、思いもよらない恋の場面を
思いついてから書こうよ。



ちょっと期待はずれ
他の方も書かれていましたが、
「新境地、最高傑作」はないだろう、と思います。
それどころか、私にとっては東野作品ではめずらしいことですが、
ハードの値段では損したかな、、と思いました。(以下軽くネタばれ)

私は不倫とにかくあかん!派ではないのですが、
これは、「恋愛」と読むにしてもちょっとなあ、と思いました。
特に主人公の女性が全体的に共感しにくいというか
「ツンデレ」のステレオタイプだな、と思いました。

最初に男性の服をよりにもよって酔っぱらったあげくの嘔吐で汚したのに
ちゃんと謝らないので主人公が怒ると、
ボールを家の庭にとりにくるたびとりあえず「ごめんなさい」という
子供の例を出して
「かんたんに使える言葉だからいいたくない」かなんかいう
場面がありますが、ぜんぜんそれと程度が違うだろ、
と心から思いました。
(またそんないいわけ?で納得する男性もよくわかりません)
それに、男を気遣って正月とか自分は自分で楽しんでるよ、
と嘘をついていたりするわけですが、それ、後でばらすんでは
戦術にすぎませんでしょう。それをまた感動してうけとめる男も男だ、と思います。

だいたい主人公「あきは」ってどっかで聞いたような、と思ったら
名作、白夜行の「ゆきほ」と韻が似てるんでした。
また描写も冷静な美人系って感じで似てるんです
(重大ないろんなことを秘めてる点なども)。が、
白夜行に比べては酷かもしれませんが、
ほんとに亜流、二流の雪穂って感じなので
その点でもちょっと醒めてしまいました。

不倫+ミステリー、で、メインの不倫がすでに私にとっては
そんなわけでもう一つ、だったのに加えて
ミステリーの「15年前の殺人事件」もねえ、、
ほんとにあの真相だったら15年も警察が真相見抜けないって
あり得るんでしょうかねえ。

というわけで、確かにそれでも途中で投げ出すような
低レベルでないのはさすがと言っていいと思いますが、
文庫化を待って損はなし、と思います。

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