ブログトップ >> 個別記事

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

amazonでチェック

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

「地頭力」を整理した良書
フェルミ推定を題材に、「地頭力」という能力を整理/構造化し、さらにはそのトレーニング方法までカバーする内容となっている。出来る人であれば無意識的に出来ていることだろうが、それを体系的に記述した点は非常に評価できる。
とはいえ、本書で整理されたアプローチを公式として捉え、盲目的に従うだけでは知識型人間から脱却することは望み薄である。本書のエッセンスを十分に咀嚼し、問題解決に当たる必要があるだろう。

地頭力とは?
まず、冒頭で頭の良さを定義付けている。ひとつが記憶力。もうひとつは機転が利く力。最後が地頭力。どれも重要ではあるが、本書ではこの地頭力を掘り下げて論じている。本文の構成もわかりやすく、各章の最後にはまとめもついているので、時間がない方にはこれだけでもエッセンスは読み取れる。
地頭力をさらに分解すると、フレームワーク思考力、仮説思考力、抽象化思考力、の3つとなる。
フレームワーク思考力は、全体から思考する力であり、全体を俯瞰してMECEで考える重要性を説く。さまざまな要素をグルーピングしたり、ひとつの事象を因数分解して複数の要素に分けて考える方法を述べている。
仮説思考力は、結論から思考する力であり、仮説を立てることの重要性が端的に書かれている。
抽象化思考力は単純化する力であり、自分でもわからないことは相手にも伝わらないため、できるだけ単純化して事象を伝えることも地頭力の要素となる。単純化とは要点をまとめる力ということもいえるだろう。
著者は地頭力をこうした3つの要素から構成されると定義し、その地頭力を鍛えるために、フェルミ推定を推奨している。フェルミ推定とは耳慣れない言葉であるが、本書に例示されているような日本に電柱は何本あるか?といった問いに対して、仮設を立て結論を出すことが地頭力を鍛えるトレーニングに繋がる。
ここで述べられている内容はおそらくコンサルティング会社に勤めている人たちにとっては常識で、類書に書かれている内容とかけ離れているものではない。ヒットの要因はタイトルの妙であろうが、決して内容が類書に劣っているわけではなく、むしろ大変わかりやすくまとまっている。
これを読んだだけで地頭力がつくわけもなく、地道なトレーニングが必要である。そのベースとなるのは知的好奇心である。


地頭力
日本人が世界からみて、比較的劣っている部分だと思います。

題名は一見難しそうに感じますが、基本的な問題解決のしかたや、
その事例が数多く掲載されています。

他の本にも紹介されていることも多いですが、一冊にまとまっていて、
非常に読みやすい内容になっていると思います。

普段から意識しないことには、わたしたちは「考える」という行動を
疎かにしていると思います。

これを仕事にも生かしていこうと思いました。

良書だと思います。

What?を知る人から、Why?を楽しむ人になるために
フェルミ推定、とは、
雲をつかむような事象の物理量を、限られた情報をもとに、自分なりの仮説を設定しながら推定すること。

例の、
「日本全国の電柱の数は?」とか 「シカゴのピアノ調律師の人数は?」
といった設問に、限られた情報に基づいて自力で考えて答えを出す。
そういえば新卒採用時、某シンクタンクの入社試験で
「貴方の大学で、一ヶ月に使用されるシャーペンの芯の本数」 というのが出ました。

さて、内容です。
昨今、脳みがき系の本やゲーム。他にも、仮説検証力をつけよう!というビジネス書も流行っている。
実は、本書もメッセージの内容では、そういう類書とたいして変わらない。
 #考えない風潮への危機感を共有しつつ、フェルミ推定をたたき台に身につける思考技術は、
 フレームワーク思考や目的志向、アウトプット思考、相手を中心に考える事、などなど。真新しくはない。

ただ、そういったものと本書でアプローチで決定的に違うところがあるとしたら、
このフェルミ推定を意識する事で、
「自分で問いを設定するようになる事」 ではないか?

突飛ないちょっとした疑問でも、考えようとする習慣が身に付く事で 通り過ぎずに考えるようになる。

レストランで、「この店のランチ食べ放題はどれくらい儲かってるのかなぁ?」
などと考えた経験は多くの人であるだろうし、割と見え易い数字だ。それだけに頭のトレーニングにはあまりならない。

しかし、
「今、ランチに出かけているサラリーマンは日本でどれくらいだろう?」
を数字まで考える人はいない。(というか、自分は考えなかった)

答えが正しいかではなく、考える筋道を試行錯誤し、 そのバリエーションを楽しめるか?
その習慣を身につける事から、What?ではなく、Why?を考える人になる。

地頭力=「結論から」「全体から」「単純に」考える力+α
「日本に電信柱は何本あるか?」というような概算法(フェルミ推定)について、「結論から考える(=仮説思考力)」「全体から考える(=フレームワーク思考力)」「単純に考える(=抽象化思考力)」という3つの観点で上手くまとめています。フェルミ推定的概算に関して論じた一般書は何冊かありましたが(※)、上記の3つの要素に分解して説明しているのはユニークですね。図解や例え話も分かり易いです。(※)は既読で、知っている内容でしたが良い復習になりました。キーワードの索引・用語説明が巻末にあった方が可読性が上がったと思いますが。
さて、本当の地頭力はフェルミ推定能力だけではありません。知的好奇心を支える層として「幾らでも長時間 諦めずに問題を考え続けることが出来る気力・体力・集中力」も重要でしょう(→野球選手の「地肩の強さ」と同様。「コトの本質」(松井孝典)より)。あと、本書ではネット検索を目の敵にしてますが、Google検索におけるキーワードの組み合わせ方も、実は"art"ですね。こういう「モノ(知識)とモノ(知識)との関連付けのセンス(=知恵)」も重要な地頭力の構成因子だと思います。(Google検索においてもフェルミ推定で必要とされるセンスが重要になりますよ、と指摘したい訳です) 本書と共に他書(例「思考力革命」(船川淳志),「知的複眼思考法」(苅谷剛彦))も参考にすると良いでしょう。
(※)「統計数字を疑う」(門倉貴史)、「数で考えるアタマになる!―数字オンチの治しかた(旧題 数字オンチ諸君!)」(パウロス)、「ザ・プロフィット」(スライウォツキー)など。アシモフの科学エッセイでもこの手の概算は出てきます。
【余談】フェルミ推定において、幾つかのパラメータに分解してから総合すると、なぜ概算された数値が尤もらしくなるのでしょう? 偶然でしょうか? ちょっと興味が湧いたのでググッて調べている処ですが、統計学の「Stein's paradox」という話と関係していそうです。このように『好奇心を持って更に一歩踏み込む姿勢』は確かに「地頭力」に関係します。

amazonでチェック


関連する本

ビジネスマンのための「発見力」養成講座
ビジネスマンのための「発見力」養成講座

その数学が戦略を決める
その数学が戦略を決める

お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)
お金は銀行に預けるな   金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)


« のだめカンタービレ (11) 

ホーム |

 のだめカンタービレ (7) (講談社コミックスキス (451巻)) »