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のだめカンタービレ (8)

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のだめカンタービレ (8)

原作も
実写のドラマやアニメでは
そのまま音楽が流れ
つくりもよくて原作どおりの明るいクラシックギャグが展開され
万人に好まれる作品でしたが
原作はそれに負けない
音の聴こえる漫画が描かれています
目で聴くクラシック
是非その目でお聴きください

本気を出したのだめ
ははは
愉快です
のだめが本気を出し始めました
本選まで進みました
千秋はヨーロッパにいけるようになりました
めでたいですね


道徳上問題のある作品
私は原作の方ではなく、テレビの方で見たのですが、見ていて大変心傷つきいたたまれなくなり、大変不愉快な気持ちになりました。それは暴言の数々が気になったからです。いくら才能があるからといって、ああも「へたくそ」などといったような暴言や、人を傷つけるような讒言を吐いていいものでしょうか。主人公ののだめはまだましですが、千秋真一などは、いくら才能があっても思いやりのかけらもない、冷酷な人間に見えました。もちろん千秋だけではなく他の人の讒言も目立ちました。本当の音楽界がこうも人を傷つける暴言の嵐だとすると思うと、悲しいものがあります。同じような作品である「ハチミツとクローバー」にはこの様な讒言はなく、大変見ていて心地よかったのに、この作品は13話くらいまでは我慢して見ていましたが、その讒言の多さと冷酷な行動に耐えられなくなって見るのをやめてしまいました。作者もこういう性格やものの考え方を持った人なのでしょうか。


千秋先輩の罪悪感
千秋の罪悪感の源は両親の離婚、にあると思います。離婚後、11歳の彼は父を失い、育った家を失い、なじみの薄い日本に帰ってくる途中でした。”老人を救えなかった”というのは、彼の中の子どもらしい罪悪感や喪失感の投射だと思います。サイコダイナミックスでいう、'the basic fault.'(Balint) が心の奥底にあり、'something is missing inside'という気持ちを成人しても引きずっているのかと思われます。のだめは彼の中で、「振り返ればいつもそこにある存在、明るく自由な、そして何よりも彼を必要としている存在」になってしまったのです。千秋先輩こうなると弱いですねえ。のだめがいてこそ、トラウマを乗り越え心の隙間を埋められるのですから。念のために付け足すと、これはのめりこみや依存症を起こす心理とも共通しています。ところで、のだめにとっては 千秋先輩はなんなのでしょうか。

PTSDではなく罪悪感だった
千秋の飛行機恐怖は一見PTSDに見えるが、のだめの催眠により、老人を助けられ
なかった罪悪感ゆえのものであったと判明する。そしてその当時の記憶はビンと
いうものに隠蔽されていた。

フロイトは1899年に「隠蔽記憶について」という論文で、「覚えている記憶に意
味はなく、それに関連する周囲の記憶に意味がある」としている。基本的には抑
圧であるが、その外傷体験に直面していくことは千秋にとってはとても苦しかっ
たのだろう。そして、それを抑圧し、その代わりに外傷体験と時間的に近接した
その他の事柄のみを記憶していたのである。この辺りが千秋の深い絶望感と結び
ついているのかもしれない。

精神分析ではこのような記憶を隠蔽記憶と呼び、神経症治療の一つの手がかりと
してる。そして、精神分析療法を通して、抑圧された記憶を掘り起こし、扱える
ようになっていくのである。

また、千秋は今まで様々な治療や民間療法を試してきたが、「ガードが堅い」と
いうことで、効果はなかった。しかし、今回はのだめの素人催眠術がうまく行っ
たのは転移/逆転移の文脈で理解できる。

千秋はのだめを献身的に世話をするのは、老人を助けれなかった罪悪感から来る
償いという文脈で理解できる。このような感情を現在の対象であるのだめに転移
している。さらに、のだめも千秋を何とか助けたいという強い気持ちを抱いてい
る。これはのだめの個人的感情というよりは、千秋との関係の中で増幅された逆
転移と言える。

 ここに治療者−患者間にリアルに現れた転移/逆転移を見ることができ、それ
は過去の千秋の外傷体験の再演ということができ、この中で行われた催眠術は今
までの千秋が受けた治療や民間療法とは質的に違ってくる。

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