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20世紀少年―本格科学冒険漫画 (17)

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20世紀少年―本格科学冒険漫画 (17)

ともだち暦。
遂に17巻に到達しました。時代は、西暦からともだち暦に変わっています。ウイルス感染のワクチンを巡り、人類は絶望の時代を迎えています。そこに、ある人物の痕跡が次第に鮮明になっていきます。それにしても、最高にスリリングになってまいりました。早く先を知りたいという思いが募ります。

妙な現実味を帯びてはいないか?
作者が意図しているか否かは不明だが、現在の日本を誇張した上で風刺しているように思えなくもない。カルト宗教の静かな台頭、政治への進出、対抗勢力の出現…なにか他人事、作り話ではないような空恐ろしさを感じる。確かに素晴らしい構成、展開ではあり、非常に楽しめるのだが、そこで留まってしまってよいのだろうか?考えすぎだろうか?

絶望はヒーローを生む。
「正義は死なないのだ」
表紙に書かれている、ケンジ少年の言葉。
「きっとやってくれる」
「彼は生きている」
と読者に思わせてくれるあたりがニクイね。

トモダチ暦が始まり、世の中はトモダチのなりの理想国家。警察は地球防衛軍、町並みは昭和、テレビ番組まで昔のもの。恐怖政治でなんとかやっているが、どこかしらほころびが生じ、荒れはじめている時代。ケンジの仲間が頑張って行こうってしてる。

このSFチックな設定だけ聞いてると、子供騙しなものと侮る輩もいるかもしれんが、
「大人のSF」
ですよ。節々に出てくる人間臭さ。人の弱さ、醜さをきちっと描くからこそ、ヒーローの美しさが大人の胸にも届くのさ。

丁寧な作品です。
一言でいえば「丁寧な作品」です。
そこらじゅうに伏線が張りまくりですが、今のところ一つとしてムダな伏線がありません。素晴らしい。展開も必然性があり、モンスターの時の様な、「そのシーンは本当に必要か?」というムダもありません。
やや丁寧すぎて冗長な感はありますが、それを上回る精緻な組立です。
なぜそのシーンなのか、なぜそのアイテムなのか、全部意味がある。いいですね。
後になって、「そういや、あのシーンで変なこと言ってたな」と膝を打つことも多いです。(2000年大晦日のときのビル屋上でのフクベエの台詞とか)
バーチャル世界の’ともだち’がなぜあのお面なのか、が分かった時は思わず唸りました。よくできてる。
「あのときの理科室で、彼は死に、そして生まれたんだ」という台詞も素晴らしい。それを明らかにする話がまた出てくるのでしょう。
この巻で一番気になった台詞は、「ガキの遊びに終わりなんかなぇよ」ですね。
18巻では多分、一気に話を纏めてくれるのではないでしょうか。
すばらしい。

変容する世界、様相を変える物語
「ともだち」の手により世界にばらまかれたウィルス。ワクチンを手に入れたのは万博開会式に出席していた人々だけ・・・。
オッチョの目を通して描かれる「ともだち暦」後のワクチンを巡り争う人々の姿は今までに無いくらい残酷で、戦慄を覚えずにはいられない。いままでのこのシリーズの中では描かれなかったような場面だ。テレビを通して監視されている社会はオーウェルの世界かのよう。
表紙の雰囲気とは裏腹に、独裁社会を描く本巻は陰鬱な雰囲気に覆われている。物語の変容ぶりに驚きながらも(これを第一巻の冒頭のシーンにどうつなげていくのか?)、全く予想できない今後の展開に、著者は今後どういう物語を描いていこうとしているのか・・・。興味がつきることはない。

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