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人間の覚悟 (新潮新書)

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人間の覚悟 (新潮新書)

むしろ人間の諦め。
これから地獄のような時代がくる。
人間は何をやっても苦しむ。
他人を信用すれば裏切られる。

と不安をあおった上で
仏教的立場から、すべて諦め、覚悟し、受け入れろ。と説いている。
大量の問題を提起しておきながら、対処方法は、受け入れることだという。

タイトルは「人間の覚悟」だが、
覚悟を決めてなにかをしよう。変えよう。という本ではない。

私もついに覚悟を決めた! 
久々に良書と出会えたことに感謝しております。

時代は今、鬱的になっているそうです。
地獄の門が開かれた、という冒頭から、グイグイと引き込まれます。
年間自殺者も、実際には三万人どころじゃないようです。
それほど、日本社会は地獄です。

読み終えて、むくむくと勇気が沸いてきました。
私もいさぎよく人生オワタの覚悟をできたので、テンションあげて、
負けずにできることをして、がんばって生きていこうと思います!!

マイナス成長も、老いることも、死さえも恐くない
五木寛之という作家は、終戦の時に朝鮮は平壌から福岡に引き揚げ、小学校〜高校を福岡で過ごし、青雲の志を抱いて上京、早稲田の露文科に入学。生活のために売血をし、大学生協ではコロッケパンのコロッケ抜きが常食。結局授業料が払えず抹籍処分になった。

五木寛之はある時休筆して今日との龍谷大学の聴講生となり仏教を学んだ。それ以来、自分の経験、歳を重ねての人間としての熟成を背骨に、変転極まりない現代に翻弄される人たちに向けて癒しの言葉をかけてくれている。

この本は胸に染み入る言葉が沢山出てくる。たとえば、
「ヨーロッパやアメリカ流の自然保護というのは、これ以上空気や水を汚して森を破壊すると最も大事な人間の生活がもたない、人間を守るために自然を濫費しないようにしようという考え方が根源になっています。
しかし、それではもうだめなのではないでしょうか。そうではなくて、草木の一本、一石、一草にも虫にも動物にも心があり、魂があり、仏性がある、森にも山にも命があると考える日本人の伝統的心性こそ、環境について考える上で根本的大転換をもたらす新しい思想として現代に大きな価値を持つのです。」

アメリカがつくった未曾有の経済危機。金融が自己増殖する幻ははじけた。世界はパラダイム転換すべきときを向かえており、新しい21世紀をつくるときに牽引車となるべきは日本人であろうと僕は思っている。それだけの良き歴史と蓄積を先人達は僕らにくれた。だから未曾有の経済危機であっても日本は比較的傷が浅い。この程度のことで心が沈み込むようでは、現代日本人はご先祖様に顔向けできないと思う。

今、きついなあと感じている日本人には是非読んで欲しい。旧来の考え方にがんじがらめになって自分自身を苛んでいる愚を、やわらかく諭してくれるだろう。


まったく飽きさせません
「生きるヒント」を読んで以来、五木寛之さんの「人生観」や「思想」、
宗教(特に仏教)的視点から見た様々な事柄の解釈は、非常に自分の心
に響く物を感じます。

本書も「覚悟」という言葉をキーワードに、五木寛之さんがこれまでに
見聞きしたり実体験した様々な事柄について触れていますが、文章のひ
とつひとつが心に響いてくる内容になっています。

五木寛之さんのすごいところは、宗教的な視点や教えを多用するのです
が、私のようにあまり普段の生活において宗教的な事柄に関心の薄い人
が読んでいても、「こういう考え方もあるのだな」とまったく押しつけの無い
感じで読ませてくれるところだと思います。

本書の終盤は、人間というものの本質が少し怖く感じられるような体験
が語られ、気持ちが沈む場面もありましたが、その人間の本質と言うも
のを綺麗ごとを並べずに真正面からとらえる部分は、大変興味深く読む
ことができました。

「生きるヒント」のころに比べれば文庫本の値段もだいぶ高くなったと
感じていますが、手にとって読んでみて後悔しない価値ある1冊です。

「生を明らめ死を明らむるは仏家一大事の因縁なり」(修証義から)
弘法大師ならぬ著者と一緒にこんにちを振り返り、
「生きる」について、同行二人、思索の旅をするような本。

「はっきりと現実を見すえる。期待感や不安などに目をくもらせることなく、
事実を真正面から受けとめる」(本文から)から始めて、

「『今日一日、とにかくこうして終わった。
きょう一日を生きられたことはよかった。
ありがたい。
明日はもう目が覚めるかどうかわからないのだ』と考えます。
そして翌朝またまた起きられたら、顔を洗いながら、
『ああ、目が覚めた。ありがたい。
きょう一日何とかして生き延びよう』、
そうつぶやいてみるのです。」(本文から)
「生きることの大変さと儚さを胸に、
この一日一日を感謝して生きていくしかない。」(本文から)
と覚悟する。






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