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機動戦士ガンダム THE ORIGIN (18) ララァ編・後 (角川コミックス・エース 80-21)

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機動戦士ガンダム THE ORIGIN (18)  ララァ編・後 (角川コミックス・エース 80-21)

安彦氏の絵柄は独特の味わいがある
マンガ版のガンダム。やっとテキサスコロニーでの格闘。アムロVSシャア。

安彦氏の絵柄は独特の味わいがあるのだが、この巻は雑だと感じた。

戦闘シーンが多く、引きの構図が殆ど無いせいだろうか。


昔の記憶、
まず、この巻は9巻から13巻を読んでないと解りづらいです。アニメにないシャアとセイラの過去が絡んできます。最近読み始めの人は注意。 内容ですが、前半はニュータイプ(NT):シャリア・ブルの話。 NTの悲哀がテーマかなと思いました。NTと言ってもアムロやララァの様に優れたスーパー兵士になれる人もいれば、そうでない人もいる。戦争のなかではそれが一緒くたに戦場に送られる…。 後半はテキサスコロニーでのシャアとセイラの邂逅。結構この兄妹は戦場で偶然よく出会うのですが、昔から僕はちょっと都合いいなと思いつつ、まぁ劇モノだからと思ってました。 今回はその辺が払拭されて納得できました。 二人とも昔の記憶に会いに行った訳です。非常時にシャアが白馬に乗って現れた理由もたまたま馬がいたからというより、きっとテキサスでの少年時代を思い出して乗ってみたんでしょう。多分…。「逆シャア」でも馬に乗ってたから、シャアは余程乗馬が好きらしい。 セイラの前だからこそ語られるシャアの本心。 作者のシャア解釈であり、オリジン版シャアの今後を読むシーンか? 最近シャアのセリフがとても多い。シャアは飽くまでも人気はあっても脇役。二枚目は喋り過ぎない方がいいと思う。アムロが主役だという軸はブレないで欲しいです。


ガンタンク大活躍!
17巻と比べて躍動感溢れるストーリー展開です。

シャリアブルが原作より哀れな役回りになっていたのが少し残念です。
やはりコロニー内であの図体では無理があります。
原作の彼はカッコよかったのにニュータイプの出来損ないのような扱いで、
完全にシャアとララァの引き立て役になってしまいました。

それはさておき、この巻はガンタンク大活躍です。

ある意味、ブラウブロ戦やゲルググ戦は結果を知っているので
安心して見ていましたが、ガンタンク戦はそうはいきません!

唸る主砲がザクを撃破する撃破する。
前面装甲は艦砲だって打ち抜けないようです(本当か!?)。
そして最後は主砲串刺しのゼロ距離射撃、すごすぎる。

ガンダムを回収に来たモビルスーツもガンタンク。
主砲及び腕部はアーム状に切り替えられて、ガンタンクがもはや一線から退いていることを予感させます。
しかし、パイロット及び運用法次第でまだまだ活躍できることを証明してくれました。
1コマの中に2台のタンクを描いてくれる著者のセンスに脱帽です。

大活躍ガンタンク!
ガンタンクの戦力比が11%なんてもう言わせません。
完全にストライクゾーン狭そうですが、ガンタンクファンの方には垂涎の一冊、☆5つです。


母親とNT=ララア・・・逆シャアとのリンク
オリジンの中でもかなり気合の入った巻となりました。
ただ個人的に惜しいと思うのはシャリア・ブル氏の扱いの惨さ。
もっともブル自身をアニメ同様にトレスしたら丸ごと1巻はかかりそうな感じです。
(それだけアニメの密度が濃かったのだ!!)
全然別人28号なキャラなのですから名前変えてもよかったのになあ〜
(個人的に☆マイナス1)
同時にWB隊の面子もアムロとセイラ以外の心理描写がはぶられていますが
描きたいものを作者が吟味して漫画にして描いている感じなので
これも仕方ないでしょう。
とにかく安彦節が炸裂している漫画です。

今回の見どころはシャアとセイラの再会でしょう。
シャアの口からお母さんの話を聞いた時、ああやっぱりと思ってしまった。
キャスバル=シャアは母親との別離の時から時間が止まってしまったのだ。
手を汚してでもザビ家に復讐を誓ったあの日から。
けれどシャアはNTを知ったから別の生き方を見つけたとセイラに告白します。
NT=ララア・・・。

オリジンでも結末は同じなのでしょう。
今のシャアの元気で自信満々な部分が哀しい。

逆シャアのラスト、
「ララア・スンは私の母親になってくれたかもしれなかった女性だ!!」
このシーンが読後に不意に脳裏に浮びました。
リンクしてしまった・・・富野アニメとオリジンはまったく別だと納得しているのに・・・。

作中では駆ける荒馬にむんずと組み付いて乗りこなすシャアが凄い。
シャアの感情と性格、今までの生き様をたった数ページのシーンで説明してしまう凄まじさ。
これにはまいった・・・安彦さんの凄まじさを改めて感じました。

シャア・セイラの物語
例えばルウム戦役は、ガンダム年表ではたったの1行でしかない出来事でした。
でもこの「THE ORIGIN」シリーズではそれらをつぶさに描き、その1行では表現しきれない、多くの人々の魂を引き裂かれる様なつらさを描いている気がします。
この18巻ではTVシリーズの2話分くらいしかカバーしていませんが、「THE ORIGIN」の底流に流れるシャア・セイラ兄妹の悲哀に満ちた物語が、ここでひとつのクライマックスを迎えたと感じました。

セイラは愛する人との別れを、ほとんどこのコロニーで迎えていますが、今回のシャアとの決別もそのうちの一つなのでしょう。
よく小説の中の情景は想像力によって無限大に広がると言われますが、マンガというものはその逆で、情景は限定的になるものの、登場人物の心の中は無限大なのかもしれません。
そう考えると、運命に翻弄される彼女のやさしさ故の悲しみがとても大きく感じられます。
またシャアについても、表情は仮面の下に隠されていますが、今までにない激しい口調が彼の決意の強さを想像させてくれました。

よく安彦さんのメカには不思議なキャラクター性がある気がしているのですが、今回登場のブラウ・ブロも、アニメ版にはないオドロオドロした雰囲気がいい味出してます。
筆のおかげでしょうか。

このあとのクライマックスに向け、『役者はそろった』といった印象の18巻でした。

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