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神様のカルテ

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神様のカルテ

医療問題
医療問題は、本当に表すことが難しい問題だと思います。
現場と患者の求めるものはそれぞれですし、、

その中の一つの切り口を、示唆した作品だと思います。
文体は必要性があるかどうかちょっとわかりませんでしたが。

ある意味身近なおはなし
私自身が松本に近い町に暮らしているため、登場する病院、神社、居酒屋がどこのことなのか想定できてストーリーとは別のところでも楽しませてもらいました。
登場人物の「安曇さん」「豊科さん」「明科さん」とはまさしく地名で、作者の地域へのこだわりが、同郷者としては、うれしくもあり、くすぐったさもあり…。

物語は医療物にしては、最初淡々と事実だけを語る形ですすめられていきます。地域医療の医師不足の問題、大学病院の医局制度にたいする疑問、これらもさらりと触れられて、ちょっと浅いかな〜?と思って読み進めていたのですが、ラストに近づくにつれぐんぐん惹きつけられ、不覚にも泣いてしまいました。

現役医師ならではの臨場感、事実から見えてくる問題と感動。次回作に期待です。
登場人物のキャラクターの描き方も秀逸で、それぞれが好感の持てる素敵な人々でした。

医者の自己満足
信州の病院で地域医療に従事する若い内科医の物語。
作者が現役医師であって、自分のことをモデルにしているのでは?と思ってしまいました。
(もし、そうだとしたらかなりのナルシストですが…)
ペンネームからも分かるように、夏目漱石を完全に意識した文体…。
物語自体よりもまず、その古臭い文章や会話に馴染めませんでした。
今時、こんな喋り方する人はいないだろう…。

患者のことを最優先する真面目で優しいドクターがハードな病院で頑張ってます。
患者との交流なんかもあって、たしかに心温まる感動物語なのかもしれません。

たぶん、自分が病気になったら主人公の医師に診てもらいたいと思う人は多いだろうな。
でも、理屈っぽくて、すぐに自己嫌悪に陥るような主人公、私はあまり好きになれませんでした。


生と死のあり方を穏やかに語る―ひとの温もりを感じる作品
  古風な話し方がやけに印象に残る主人公ですが、読んでみると、その古風な話し方ゆえになかなかの魅力を感じる作品になっています。現代医療の現場からの声を小説風に仕上げたものですが、それだけにとどまらない奥行きの深さも心に刻まれます。続編が今夏に刊行されるらしいので、本書を読んでファンになったかたはきっと心待ちにしていることでしょう。医療に関心があるないにかかわりなく多くの人に眺めてほしい一書です。

  人は生きているうちは、「生」というものにあまり敏感ではありません。もちろん元気に健やかに暮らせる有難さを感じてはいますが、そもそも「生きるとは何か」という問題を真剣に考えるゆとりはあまりないのではないでしょうか。それはまた「死」についても当てはまるでしょう。「生と死」という人間にとって根源的なものを日常的に直視している職業の1つが医師でありましょうが、「こんな医師もいるんだな」、また「いてほしいな」と思うのです。不器用ながらも要所要所はきちんと締める、そんな医師がここにいます。

  本書は地方医療の現状を描くとともに、主人公の医師を取り巻く珍しい人たちとのやり取りも読み応えを増す要因になっています。とくに印象的であるのは、文学者をめざして大学院で研究している通称<学士殿>に対する主人公のセリフ。本当になかなかのセリフです。「学問を行うのに必要なものは、気概であって学歴ではない。熱意であって建て前ではない」。そして「笑う者あらば笑うがいい」と喝破するのです(最後のセリフは、褒めることがほとんどない同僚の女性医師からも「悪くなかったと思うよ」といわれる)。

  医師というものが患者に接するときに必要なもの、それは「いたわり」の気持ちでありましょう。医師が患者を支え、救っているのではない。むしろ患者が医師を支え、そして救っているのだと。主人公もこのことに患者の死をもって深く悟ります。どうも余談が過ぎました。記憶に残る作品です。


良い作品だけど
医者の人情ものというよくあるパターン。
古風な主人公の医者と、人情家の上司、厳しいがやさしい周囲の看護師。清楚な妻と気の良い友人たち。そこにある出会いと別れ、生と死。
もうベタベタ。文体も漱石風というのが特徴なだけ。表紙のイラストで救われる。
泣きたい人にはお勧めします。


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